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2005年 09月 07日
アヒルと鴨のコインロッカー
伊坂 幸太郎 / 東京創元社 スコア選択: ★★★ 人間は必死になれば、たいていのことはできる、と楽観的に信じている。《本文p74》 ----------------------------------------------------------------- 神様を閉じ込めに行かないか? 《単行本帯より》 ----------------------------------------------------------------- この人のラッシュライフは面白かった。 ペット殺しが続発していた2年前と現在が交互に語られる。現在語られる部分から、2年前に何かがあったことが伺われる。そしてそれは、きっとこういうことだろう……と考える。 その想像は外れていて、想像通りであればとても陰惨なシーンが繰り広げられる筈だったので、そうでないことに安堵すると同時に失望している自分を見つける。 最悪の想像が当たっていて「こんなことにならなければいいと思っていたのに」と思ったほうがむしろ後味がいいのかも知れないと思う。自分の闇を見ずにすむのだから。 善いことも悪いことも、やったことは、全部自分に戻ってくるんだ。(p61) このごろ、強くそれを感じる。 一人で生きていると(もちろん完全な意味の一人ではない)、自分が自分にすることの責任だけを取っていればいい。自分の思いに自分が傷つくだけだから、大して傷つかないのだ。 だが、人と関わるとそうはいかない。軽い気持ちで言ったことに相手をひどく傷つけたり、相手を傷つけたことに自分もまた傷ついたり。それを繰り返していくうちに傷はどんどん深く長くなっていく。 ただ、一人でいると傷つかない代わりに誰もそれを癒してはくれない。人といると、傷つく代わりに人がそれを癒してくれる。悪いことが自分に戻る分、善いことも自分に降り注いでくる。 人というものは、慎重にことを運ぶべき時に限って、行動を急いでしまうのかもしれない。(p275) まったくそのとおりだ。 何かしようと思ったら、まず深呼吸。できれば一晩寝てからやるかどうか決めたほうがいい。 でも、そんな風に思えることっていうのは、慎重に運ぶべきことではないのだ。とっとと決めたほうがいいのにぐずぐずしているのにすぎないのだ。 そして、また失敗する。 美人の敵は時間だ、と聞いたことがある。年月が経つにつれて、自分の美貌が劣化していくことに、立ち向かわなくてはいけないからだ。(p196) わたしの味方は時間であるらしい。喜ぶべきか悲しむべきか。 長いこと本が読めずにいた。活字がまともに追えなくて、せいぜいマンガしか読めなかったのだ。ようやく読み終えて、次はマィおすすめの「スモールワールド」を読む。エロくて(*´ρ`*)ハァハァだ
by sya_sya
| 2005-09-07 21:12
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